周防正行『Shall We ダンス?』(1996)『ファンシイダンス』(1989)『シコふんじゃった』(1992)『「Shall We ダンス?」アメリカを行く』(文春文庫)
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んで『『Shall we ダンス?』アメリカを行く (文春文庫)』も読みまして(これも再読)、まあいかにも大変だなあってことなんですが、MIRAMAXはこの映画をアメリカで公開するにあたって「日本映画を見に来るような客層は吹き替えを嫌がるから字幕で公開する」と、しかし「上映時間が2時間を越えるとそれだけで客足が遠のくからカットする」という方針で周防監督と揉めるのだけど、わざわざ日本映画を見に来るようなお客さんは吹き替えのみならずアメリカ向けの編集も嫌うのではないかとは思わなかったんだろうか。アメリカ版編集の担当者のクレジットを入れるのをいやがったという話もあったりして、こっそりというかダマテンでハサミ入れちゃおうという心算だったっぽいけど、なんだか愛のない会社だな―という印象。まあビジネスだししょうがない面もあるんだろうけど。
リチャード・ギアとジェニファー・ロペスとスーザン・サランドンの『Shall We Dance?』が見たいなー。
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『ファンシイダンス』は、蓮實先生の映画表現論の授業に宣伝に来た周防監督から直接チケットを買った覚えがあったので、てっきり見たと思ってたんですがどうも見てないみたい。せっかくチケット買ったのにもったいない。何してたんだろう?
80年代の空気をすごーく感じる。大槻ケンヂとの宗教対決の理屈とか、鈴木保奈美の働き方のリアリティのなさとか。
『シコふんじゃった』こっちは「あー、大学ってこういう感じだよなー」という感じ。
両作とも、周防監督の『Shall We ダンス?』以降の作品よりずっと小津っぽさを前面に出しててなんか新鮮。ただ、両方の作品にあからさまな「単なるブス」の役があってちょっと不快だった(『Shall We ダンス?』の渡辺えり子もそういう役割だったかもしれない)。周防監督って男女同権的観点からはちょっと問題のある思想の持ち主なのかも、と思ってしまった。まあこのあとの映画もきちんと見てみなくちゃわかんないですが。