プレイリスト「聴く音楽史」について

たしかエンヤの曲を聴くためだったと思うのだけど、25年ほど前にソニーディスクマンを買い、私は初めてCDの聴取環境を手に入れた。それまでは音楽とはほとんど縁のない生活で、学生時代に買ったレコードプレーヤーとラジオカセットしか持っていなかったので、ちまたにCDが普及しても私はほとんど聞いたことがなかったのだった。ちょうど結婚した頃で、奥さんの実家に挨拶に行くときそのディスクマンとエンヤのCD「Watermark」「The Celts」を持ってゆき、道中ずっと聴いていた記憶がある。

その後エンヤばかりでなくクラシックなども聴いてみようと思ったのだが、私には音楽的教養というものがからっきしで、何から聴けばよいのか皆目見当もつかない。そこで本屋(というか当時の職場)の芸術書コーナーで、手頃なディスクガイドを探してみて見つけたのがこの本。

聴く音楽史 グレゴリオ聖歌から武満徹まで必聴CD155曲

聴く音楽史 グレゴリオ聖歌から武満徹まで必聴CD155曲

これをパラパラ見ながら興味をひかれたCDをすこしずつ買い揃え……るには、しかし私の可処分所得はあまりに少なく、バッハやヘンデルなどのCDを2、3枚買ったところで私のクラシック探求の道は途絶えてしまったのだった。

月日は流れて2015年(!)、月々1000円ほどでいくらでも(じゃないけど)音楽を聴けますというApple Musicというサービスにお試しで入会してみたら、これが個人的には大当たりだったのです。当時も思ったけどこういうサービスって、すでに厖大なコレクションを持ってる人とか音楽的造詣の深い人よりは、私みたいなドシロートに最適だと思う。というわけで、若い頃よく聴いていたレコードやら今までなんとなく手を出せずにいたCDやらを手当たりしだい(ラインアップの範囲で)聴く生活が始まった。

そんな中、先述のガイドブックのことを思い出し、今ならここに紹介されているCDのほとんどを聴くことができるのではないか? とヒラメイタわけである。本棚からひっぱり出して調べてみると、登録されていない盤もちょこちょこあるものの、大体の曲は聴ける模様。そこで私はこの本に準拠したクラシックの名曲のプレイリスト作りにとりかかることにした。

この本は、選者の選んだ1曲につき推薦のCD1点+オルタナティブ2点という構成になっている。プレイリスト作りには、まず推薦されたCDを探し、そのものズバリのものがなければ同じ指揮者・演奏者のもの、それも見つからないときはオルタナティブのほうから探すという方針をとった。CDというのは廃盤や再発売が多いのか、指揮者や演奏者が同じなのにジャケットや発売年が違ったりするものがヒジョーにたくさんあり、「……この曲はコレでいいの?」と迷うことがたいへん多い(CD業界のことをよく知らないので事情がよくわからない)。またApple Musicは検索機能がきわめて貧弱で、探しにくいことこの上ない。Aが演奏するB作曲の「C」という曲を探すのに、Bで検索してもひっかからないがAで探すと見つかる、というようなことがとても多くて、ものすごく面倒だった。

次ページ以降の記事は、そのようにして作ったプレイリストの自分用まとめ。曲名/推薦されたCD(のアマゾン商品ページ)/プレイリストに登録した曲(トラック)/その曲のiTunesのページ、の順になっております。