Lebensansichten des Kater Mugi

牡猫ムギの人生観

各ジャンル極私的オールタイム・ベスト

思うところあって、本やら映画やらもろもろのオールタイムベストを10点ずつ選んでみた。 映画 十戒(セシル・B・デミル、1956) タワーリング・インフェルノ(ジョン・ギラーミン、1974) リトル・ロマンス(ジョージ・ロイ・ヒル、1979) 風の谷のナウシカ…

平野婦美子『女教師の記録』を読む

図書館でたまたま手に取った『女教師の記録』という本が大層面白くて、一気に読んでしまった。 これは、学校を出たばかりの女性教師が戦前(から戦中にかけて)千葉と東京の三つの小学校(尋常高等小学校)で行った教育の実践の記録である。私は全く知らなか…

2018年のまとめ

2018年に心に残った本(読んだとは言ってない) メアリー・メイプス『大統領の疑惑』 ジョージ・オーウェル『一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)』 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)』 ジョージ・オーウェル『動物農場 (角川…

きづきあきら『ヨイコノミライ』(2006)

小学館のスマホアプリ「マンガワン」で期間限定で配信されているのを見つけ、久しぶりに再読。もう10年前のマンガなのねえ。 最初に連載していたCOMIC SEEDというウェブ雑誌が休刊になってお話が中断していたのを、小学館が拾って完結したという作品。 作者…

周防正行『Shall We ダンス?』(1996)『ファンシイダンス』(1989)『シコふんじゃった』(1992)『「Shall We ダンス?」アメリカを行く』(文春文庫)

Shall We ダンス? (通常版) [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2005/04/08メディア: DVD クリック: 2回この商品を含むブログ (57件) を見る9月22日、amazonプライムビデオにて鑑賞(再見)。……おもしろかったです(なんじゃそりゃ)。 んで『『Shall we…

黒沢清/湊かなえ『贖罪』感想

『ゲーム・オブ・スローンズ』を第5シーズンまで見てしまったので、つぎに黒沢清の『贖罪』を見、湊かなえの原作も読んだので感想を書いておく(こういう書き方をすると何のことやら意味がわからないが、本人のなかでは筋が通っているのでこれでよいのである…

津島佑子氏を悼む

ネットでウンベルト・エーコ死去という記事を見つけて関連ページを読んでいたら、コメント欄に「津島佑子も亡くなったし大物がたてつづけに」とあった。びっくりして慌てて調べてみると、2月18日に亡くなっていた。68歳、肺がんとのこと。 たしかサルトルだ…

巨人と玩具、あるいは半世紀前の表現について

このあいだTVをつけっぱなしにしていたら、BSで『巨人と玩具』という古い邦画が始まった。うちのTVはNHKのBS放送をつけてしばらくすると、なぜか画面の隅に注意書きのようなテロップがあらわれて*1それが出ている間は映像の一部が隠れてしまってちゃんと見ら…

今野勉『テレビの嘘を見破る』を読む

去年読んだ『テレビの青春』の著者であり、テレビマンユニオンの創立メンバーのひとり、今野勉の2004年の本。「テレビの嘘」というと、一般的には「やらせ」と呼ばれ、最近ではNHK 「クローズアップ現代」で紹介された男性がどうこうという件が話題になって…

大屋雄裕『自由とは何か』を読む

ひととおり読んで、結論がいまひとつすっきり飲み込めなかったので、もう一回メモを取りながら読んだら1か月かかってしまった。 「はてな検索」で探してみると、この本についてはすでに多くの人が言及している。とくに 「自由とは何かーーk-takahashis雑記」…

今野勉『テレビの青春』を読む

日本のテレビ草創期にTBSでディレクターをつとめ、のちにテレビマンユニオンの創立者のひとりとなった著者の回想録。貴重な歴史的証言と、気楽な思い出話と、本質的なTV論がごちゃっといっしょくたになったような一冊である。 たとえば、若きTVマンたちが、T…

『支店長はなぜ死んだか』つづき

(はじめは感想をぐだぐだ書いていたのだけど、どうもあんまり大した話でもないので簡単に) 上前氏は「政府高官・役人・大企業」以外のニュースソースは新聞は扱わないと書いているけれど、刊行から時間がたっているので今では週刊誌発のネタも平気で載るよ…

上前淳一郎『支店長はなぜ死んだか』を読む

……読んだんだけども、もやもやして考えがまとまらない。なので、まとまらないままわかったこと・わからないことを書いておこうと思います。この本に収められているのは以下の4篇。 「支店長はなぜ死んだか」 重度の障碍をもつ2歳の娘を死なせてしまった父親…

「村上春樹さんノーベル賞残念フェア」の件

村上さんネタが続いてしまうんですが。 今朝TVを見ていたら、「村上春樹が今年もノーベル文学賞をとれませんでした」というニュースをやってまして。 そのなかで紹介されていた書店では、メイン平台らしきところで「ノーベル賞応援フェア」を展開しており、…

村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』再読

とりたてて理由はないのだけれど、先日『ダンス・ダンス・ダンス』を読みなおしてみた。 「それで僕はいったいどうすればいいんだろう?」 「踊るんだよ」羊男は言った。「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言ってることはわかるかい? …